私の探しているものですか
それは形のあるものではありません
形のあるものは それは本来の姿ではないから
それは名前のあるものではありません
名前のあるもは 本当は そこにはないのだから
真理と愛と叡智と
これらの言葉が 世の初めに発した響き
これらの言葉の 内に携えている光
これらの言葉の 源に在る力
限りなく美しく この上なく崇高な海のように
激しい 嵐の中にも
荒れ狂う高波の下にも
静かにそれは拡がっていて
宇宙の一切を包み込んでいるのに
ひとつの原子の中にも その総てが在るもの
久遠の昔 そこから私はやって来て
久遠の時を掛けて 私はそこへ還って往く
それが私の求めているものです
葦原瑞穂著「黎明」より